杉本博司 ロストヒューマン 2016年9月30日 by

雨が多かった9月ですが、気が付けば最終日。

蒸し暑かったり肌寒かったり、気温の変化で体調も崩しやすくなりますね。

過ごしやすい本来の秋の陽気が続いてくれたらと願います。


とはいえ、すっかり秋も深まり食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。

定休日がお店と同じ為、行く機会が閉ざされてましたが、時間を作って気になっていた展示を

見に行ってきました。


恵比寿ガーデンプレイス内にある国内初の写真、映像の総合美術館

“東京都写真美術館”にて開催中の「杉本博司 ロストヒューマン展」


写真美術館

写真美術館2

約2年間の改修を終え、今月リニューアルオープンされました。

総合開館20周年記念「ロストヒューマン展」がこけら落としを飾ります。


ニューヨークを拠点に活躍されてい杉本さんは、《ジオラマ》《劇場》《海景》など

大型カメラを用いた精な写真表現で国際的に高い評価を得ているアーティストです。

近年は歴史をテーマにした論考に基づく展覧会や、国内外の建築作品など

現代美術や建築、舞台美術界等にも多大な影響を与えています。


今回は「人類と文明の終焉」という壮大なテーマを掲げ、

新シリーズの「廃墟劇場」や、本邦初公開「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」、

新インスタレーション「仏の海」の3シリーズの2フロアに渡って作家の世界感、

歴史観に迫る展示となっています。



明確なコンセプトとユニークなアプローチ、鋭い感性で

時の流れを結晶化したような内容です。

きっとご覧になった誰もが、様々な課題が山積みで、解決の糸口さえ見つからない今の世の中の現状を

再考せざるおえなくなると思います。

私も実際に全てがリアルに見えて、どれもが当てはまる悪い予感、最悪のシナリオ。

世の中の矛盾や現代が忘れてしまっていることなど、すごく考えさせられました。

一緒に展示してある古美術や化石などの物の発する力、そして厳密なコンセプトと精度の高い

手法、照明、技術で惹きつけられます。

40年前から制作されている「劇場」シリーズ、今回は「廃墟劇場」という新シリーズ。

実際に2年かけてアメリカを中心に廃墟と化した劇場をロケハンし、許可を得られた劇場に

スクリーンを設置して映画を投影。上映一本分の光量で長時間露光し撮影されたという

大掛かりなプロセスでつくられた作品です。

文字だけではなんとも想像しがたいと思いますが、、

写真の概念を覆す過去なのか未来なのか・・文明が歴史の枠を超えた作品です。


そして杉本さんの「適正な比率」や諸行無常の先にある、滅びの美学に

共感すると共に、頭が良くバランス感覚がすぐれ、ユーモアに

溢れた方だなという印象を受けました。

今後の作品も楽しみです。

本も購入してお店に置いてありますので、お気軽に手に取ってご覧ください。



そしてそして同じ恵比寿で、BEAM時代の尊敬する先輩の展示も行ってきました。


山口さん

Yamaguchi Tomoko 2016 Summer Mini Exhibition

短編集「澄んだ目が透き通ってしまって、直接」


CAFE deux poissonsという火曜~土曜のランチのみ営業してる素敵なカフェで

10月1日(土)明日までの山口智子さんの展示です。

色彩やタッチも全て大好きで、今回のぐっと心をつかまれました。

前に出された本もご用意がございますので、是非ご覧になってください。



山口さん2


何をするにも最適な気候、秋を楽しんでいきましょう☺



“杉本 博司 ロストヒューマン展”

東京都写真美術館

2016.9.3(土)~11.13(日)

月曜定休(祝日の場合は開館し翌火曜休館)

10月1日は都民の日で無料



“短編集 澄んだ目が透き通ってしまって、直接”

CAFE deux poissons

渋谷区恵比寿2-4-2-1F

03-5795-0451

火曜~金曜11:30~14:00      土曜12:30~15:00

日、月、祝お休み

※カフェの展示ですので食事かドリンクのオーダーをお願いします




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